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世界で笑顔を育てる和菓子の人(3)農業を通して世界で笑顔の栽培 [甘くて懐かしいお菓子たち]

世界で笑顔を育てる和菓子の人

(3)農業を通して世界で笑顔の栽培


↑岡萬本舗・店主の岡田健次さん

徳島産の“なると金時”が原料という“鳴門金時おいもの親子”を
いただきながら「やっぱり、なると金時は世界一のお芋なのだ」
という思いを強めていた時、
突然、店主の岡田健次さんがこう切り出しました。

「うちのお菓子は、確かに鳴門の芋しか使っていません。
それは芋本来の魅力もありますが、農家のチカラ、
日本の農業技術あっての、なると金時だと思うからなんですよ」。

そんな岡田さんは、現在インドネシアで、なると金時の栽培に取り組んでいるそうです。

「最初は、お菓子の原料である砂糖をつくるため、
サトウキビを育てたいと思ったんです。合成した甘味ではなくて、
自然の素材を求めたんです。でも、サトウキビは本格的に収穫し
精糖できるようになるまで、4〜5年ほどかかるんですね。
そのことを現地の人たちに話すと、すぐに収穫できる作物も
育てたいんだけどって言うんです。
それちょうど、なると金時の苗があるから、
これを育ててみればいいと譲ったんです」。

地元にも、特産のジャガイモがあったそうですが、
なると金時のような甘い芋ではないといいます。
そうして、苗を植え、育て始めたものの当初はうまくいかなかったそうです。

平地はもちろん海の近くや、海砂を入れた畑を作っても
やっぱりうまく育たなかったといいます。

「原因は気温にあったんです。昼と夜の温度差が10度くらい
ないとなると金時は大きく、おいしく育たないんです。
たとえば鳴門の海岸沿いは日中35度を超えていても、
夜には25度くらいまで下がるんです。下がりすぎてもいけない。

15度以下になると芋が風邪を引いて腐ってしまうんです。
そういうことを日本の農家は研究して、技術として身につけています。
世界では土地はあるけれど、そういった面での知識に乏しい面もあるんです」。

現在、岡田さんは現地の人たちと協力して、昼と夜の温度差のある
標高800m付近の高地で、徳島から持ち込んだなると金時の苗を育てています。

「優れた苗をつくるためのバイオ技術、安定した収穫を得る水耕栽培をはじめ、
日本の農業技術をもっと世界に伝えるべきなんです。
そこに日本の農業の未来があるような気がしますよ」。

いつのまにかグローバルなお話になっていましたが、実際に、
岡田さんは海外での農業振興を通して、たくさんの笑顔を育てているのです。


↑インドネシアでの農作業風景(参考写真)

(次回へ、つづく)

取材協力:岡萬本舗
HPアドレス:http://www.okaman-honpo.com

風土菓 岡萬本舗



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