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バイオ技術者と農家の二人三脚(2)信頼関係が育てる、うまい芋 [通への近道]

バイオ技術者と農家の二人三脚

(2)信頼関係が育てる、うまい芋

 なると金時の苗は、農家が種芋・親芋をとっておいて、
翌年苗を育てたり、JAや苗の販売業者から購入したりといった方法で
入手されています。しかし、藍住町にある一宮バイオファームを頼る
農家では、まず2月から3月に種芋を持ち込み、翌年4月に植える苗を
育ててもらっているそうです。

 「農家さんとの付き合いは、長くなりますね。最低でも1年。
本当にいいなると金時を育てていくためには、5年、10年かかる
こともあります。この仕事を始めて20年あまりになりますが、
ずっといっしょにやってきている農家さんも少なくありません」

と、一宮バイオファーム代表の一宮健二さん。

 ところで、一宮さんは農家から預かった『なると金時』から
どのように苗を生み出しているのでしょうか。詳しいことは、
企業秘密と言うことで話してもらうことはできませんでしたが、
おおよその流れは教えてくれました。

まず農家から預かった種芋を発芽させます。発芽した若芽の先端から
少し下あたりにある成長点(茎頂分裂組織)を切り出し、その成長を
待ってまた切り出す。研究室(無菌室)で行われるこの作業は、
顕微鏡をのぞいて行う繊細なものといいます。

次に、切り出したたくさんの成長点は、ある程度育ってきたところで、
環境に慣れさせる順化という行程のため温室に移されます。
そこで大切にしっかりとした苗の元へと育てられていくのだそうです。

 「預けていただいた種芋から切り出した芽が、
何かの具合でだめになってしまったりしたら、
待ってくれている農家さんに申し訳が立ちません。
だから、預かってから出荷するまで、
気を抜くことはできませんね」

 
 なると金時の苗は、一般的には4月頃、ほ場に植えて、
早いところでは7月に掘り始め、10月くらいまで収穫作業が続きます。
一宮さんは、自分がつくった苗がうまく実をつけているか、
丈夫にそだっているか、と時間を見つけては農家さんと
その“ほ場(砂地の畑)"を訪ねて回るそうです。

 「良いなると金時を育てるためには、各ほ場に
合わせた苗を植えることが大変重要です。
同じ砂地の畑でも、場所が変わり、農家さんの
育て方が変われば、それに適した苗があるはずなのです。
だから、苗を納めた農家さんで、今年の出来はどうだったか? 
どんな作り方をしたのか? を聞き、
その中で良いなると金時を見つけて、
また来年の種芋にさせてもらっています」

 こうした取り組みの中で、バイオ技術者・
一宮さんと各農家との間に、しっかりとした信頼関係が
生まれているようです。それが、今年よりも来年、来年よりも
再来年というように、いっそうおいしい『なると金時』を
育てているのでしょう。

(バイオ技術者と農家の二人三脚 おわり)
 

一言編集後記
 農業におけるバイオ技術は、無菌室の中だけで行われて
いるのではない──ということが、今回の取材でよく分かりました。
近隣の農家さんが三々五々、一宮バイオファームに集まり、
談笑する中で、いっそうおいしい『なると金時』づくり
のヒントが生まれている。一宮さんが実際に畑に出かけて、
農家さんの話を聞くことで、来年の苗作りに具体的な
アイデアがわいてくる。そういう現場での、情報が最先端の
技術を支えているのですね。今回、取材にご協力くださった
一宮さんはじめ農家の皆さん、あらためてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。(スタッフi)

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詳しくはこちら、http://blog.so-net.ne.jp/red-and-yellow/2007-07-15

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