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銘菓を支える鳴門金時-【第3話】芋菓子職人三代を魅了した鳴門金時- [甘くて懐かしいお菓子たち]

●期間限定には、変わらぬ味を届けるため。

看板商品の代表格『鳴門うず芋』の販売は、
9月から4月までの期間限定となっています。
それは各家庭はもちろん商店にも冷蔵庫があまり普及していなかった創業当時、
夏の暑さで芋の表面にまぶした砂糖が溶けてしまうのを嫌ったからだそうです。
「今は、どこのご家庭にも性能のいい冷蔵庫やクーラーがそろっていますから、
販売できないわけではないでしょう。
それでも万が一ということもあります。
せっかく心を込めて手作りした『鳴門うず芋』の風味や舌触りが変わってしまっては、
お客様にも、初代の心に申し訳が立ちません」と、
三代目・栗尾実太郎さんは言います。

『鳴門うず芋』を楽しみに待ってくれるお客さんの気持ちを一番に考えること。
鳴門金時という類い希(たぐいまれ)な旨いサツマイモに真剣に取り組むこと。
期間限定には、そんな創業以来の芋菓子職人の心が伝統として伝えられているのです。
ところで、鳴門金時に真剣に向き合うというのは、
原料を大切に扱うというだけではありません。
最高の鳴門金時の中から『鳴門うず芋』に最も適したサイズを選び、
必要な量を確保することも欠かせません。何にでも言えることですが、
いいものは手に入りにくいのが世の常…。


●これからも鳴門金時一筋です。

「うちは鳴門金時の女王と呼ばれる姿、形、味わいの三拍子が
そろった『里むすめ』を使っています。この芋を仕入れることが何より難題です」。
サツマイモのブランドが各種ある中で、鳴門金時の人気は高く、
その中でも鳴門市里浦産の『里むすめ』は入手困難ブランドの筆頭と言って
差し支えないでしょう。また、目の前にあったとしても、
我々一般消費者からすると、ちょっと躊躇(ちゅうちょ)してしまいそうな価格
だったりします。「だからといって、原料を変えることはできません。
お客様の舌にも、創業以来の伝統にも嘘はつけませんからね(笑)」。

しかも農産物だけに、豊作もあれば不作の年もあるわけです。
気になって、インターネットで鳴門金時の価格を調べてみると、
「時価」と表示されているサイトの多いことに気づきました。
その年、その時期によって価格がかなり変動することは、
容易に察しが付きます。仕入れ値が高くても材料は変えられない。
仕入れる量も生産卸売り業という栗尾商店の業種上、
変えることはできないそうです。「だから、うちは儲からないですよ(笑)。
毎年、鳴門金時の出来具合に冷や冷やさせられています」と栗尾さん。
それでもなお、三代にわたり芋菓子職人を魅了してやまないのが、
鳴門金時という徳島が生んだブランド芋のチカラなのです。
お土産にいただいた『鳴門うず芋』は、サクリとして中身まろやか。
相伝の蜜の優しい甘みとともに、三代の思いが深い味わいとなって、
ゆっくりと舌の上に広がっていくのを心地よく感じました。

(銘菓を支える鳴門金時・おわり)


上記、栗尾商店様の商品の一部です。
詳しくは下記HPよりご覧下さい。

取材協力:有限会社栗尾商店 http://www.kurio.jp/

一言編集後記:

今日で有限会社栗尾商店さんの投稿記事は、一旦終了。
次回は、「美味しくいただくレシピ集」の予定です。
実はコレ。三代目・栗尾専務に教わったレシピです!
乞うご期待!

※※最新情報※※
何とあの「本格焼酎(情留酒) 鳴門金時 焼き芋」が復活するとのこと。
4月2日初出荷、店頭販売日は4月5日の予定。

鳴門金時蒸留所:URL http://www.nkj.cc/
オンライン購入ページ:http://www.nkj.cc/09_buyitnow.html


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銘菓を支える鳴門金時-【第2話】手切りと蜜床は変えられない- [甘くて懐かしいお菓子たち]

●包丁を使う大切な理由があります。


『鳴門うず芋』の1日の生産数は2000個ほどで、使う鳴門金時は約700kg。
見ての通り、製品は輪切りにされています。
そのため、よく育った2Lサイズの大きめのものを厳選しているそうです。
さて驚いたことに、栗尾商店では、これだけの量の鳴門金時を相手に、
すべて包丁を使った手切りによる製法で臨み続けているといいます。

「スライサーなどの機械を使えば、なんてことはない量かもしれませんが、
硬い生の芋を人の手で切るとなると、かなり大変なんです。
でも手切りした方が、間違いなく味がいいんです。その理由が知りたくて
専門の機関で調べてもらいました。スライサーを使用した場合、
切り口の断面がツルンとしているのに対して、包丁を使うと
ノコギリで挽(ひ)いたように、ギザギザなんです。
当然、蜜が絡みやすく、それだけうま味が乗るんです」と、
栗尾実太郎さんは手切りへのこだわりの理由を話してくれました。


●受け継がれてきた家宝の蜜床。


↑家宝の蜜が、たっぷり入った蜜床。画像右の穴がたくさんある
ボックスの中に鳴門金時が入っています。

もう一つ、栗尾商店の芋菓子作りに欠くことの出来ない秘伝の技があります。
創業者の常一さんが仕込んで以来、守り続けてきた家宝とも言うべき蜜床です。
簡単に『鳴門うず芋』ができるまでを見ていくと、まず手間暇をかけて
輪切りにした鳴門金時は、一晩、剣山の湧き水にさらしてアクを抜きます。
これを蒸して蜜床に付け、最後に砂糖をまぶせば『鳴門うず芋』の完成です。
この行程の中で、蒸した芋を蜜床につけるたび、当然蜜は減っていきます。

「蒸した芋が吸った分だけ、継ぎ足して蜜床を守ってきました。
この蜜床だからこそ、鳴門金時が持っている本来のおいしさを、最大限に
引き出すことができるんです」
鳴門金時に惚れ込み、そのチカラをとことん引き出す──。そのためには、
時間も労もいとわず、原料を厳選し、手間をかけ、蜜床を守ってきた栗尾商店。
すべては、鳴門金時をおいしく食べてもらいたいからに違いありません。

(第3話へ続く)



取材協力:有限会社栗尾商店 http://www.kurio.jp/

一言編集後記:
今週のアップはすっかり遅くなってしまって(汗)すいませんでした。
そうそう本日の記事でご紹介させていただいております『鳴門うず芋』。
帰りに一袋頂いたんです。私が食べれたのはほんの少しだったのですが、
(私のいない隙に家族が勝手に食べていた!)本カテゴリー名の通り、
甘くそして懐かしい味でした。こんな美味しいお菓子を、伝統をかたくなに
守り、伝え、作り続けられている栗尾商店さん並びに職人さんたちに、
改めて"ありがとう"と言いたいですね。


ところで、2月もあと残すところ10日あまり。
時間の経つのは早いですね〜。
(私だけかも知れませんが・・・)
ときには、一杯、鳴門金時蒸留所の本格焼酎
『情留酒 鳴門金時』でも飲みながら、
ゆっくり本ブログにコメントなど
書いてみてはいかがですか?
初コメントは一体どんな方か、
首を長〜くしてお待ちしております。
(水口)



鳴門金時蒸留所様:URL http://www.nkj.cc/
オンライン購入ページ:http://www.nkj.cc/09_buyitnow.html


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銘菓を支える鳴門金時-【第1話】創業以来こだわり続けた菓子の味- [甘くて懐かしいお菓子たち]

●八十年近い歴史の中で守り続けた味

焼いて、蒸(ふ)かして、そのままかじりつくだけで、
蒸(む)れて香ばしい濃厚な香りが広がる鳴門金時。
舌の上には、優しく深い甘みが幾重にも折り重なっていきます。

そんな徳島のブランド芋・鳴門金時の中でも、
最高級品と言われるのが鳴門市里浦産鳴門金時『里むすめ』。
そこからさらに厳選した芋だけを原料につくられているのが、
阿波の芋菓子の老舗、栗尾商店の銘菓『鳴門うず芋』です。

栗尾商店が、徳島県つるぎ町(旧貞光町)で、
和菓子屋ののれんを掲げたのは昭和4年(1929年)のこと。
以来、約80年わたり変わらぬ味で多くのファンを魅了する
『鳴門うず芋』をはじめ、手作りの和菓子をつくり続けています。


●初代菓子職人が惚れ込んだ芋

「先々代(栗尾常一さん)は、僕のおじいさんですが、
農家の長男として生まれたそうです。
菓子職人にあこがれたのでしょうか、
長いこと地元の和菓子屋さんで奉公し、苦労の末に
自分のお店、今の栗尾商店を立ち上げたと聞いています」と、
現在三代目を目指し伝統の技を受け継ぐ栗尾実太郎さん。

創業時、常一さんは県外に向け鳴門金時の積み出しが行われていた
鳴門市の撫養港まで足を運び、原料を仕入れていたと言います。
味はもちろん、赤い外皮、鮮やかな黄色い実、カタチの良さなど、
鳴門金時の魅力に惚れ込んでいたことは容易に想像がつきます。
ところで当時は、まだ鳴門金時の名は無く、撫養港から運び出される
芋であることから『撫養芋』と呼ばれていたそうです。

およそ80年の時を経て、現在口にする『鳴門うず芋』の味には、
撫養芋と呼ばれた時代そのままの優しい甘さに加え、
芋に絡める秘伝の蜜が生む奥深く豊かな風味が、
変わることなく受け継がれています。
表面はサクッと軽い歯ごたえがあり、中身はしっとり上品な食感。
次回は、その製法へのこだわりを紹介します。

(第2話へ続く)


取材協力:有限会社栗尾商店 http://www.kurio.jp/

一言編集後記:
取材に対応して頂いたのは、栗尾実太郎専務。
取材のご協力誠にありがとうございました。
知らないことばかりで、いろいろ驚かされっぱなしだったのですが、
一番驚いたのは、栗尾専務が、当ブログのライター兼
鳴門金時普及委員会(仮)会長と高校の同級生であったこと。
世間は狭い!
今後とも宜しくお願いします。
(水口)


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芋畑から【第3話】ブランド芋『鳴門金時』生産農家〜林正史さん〜(後編) [芋作りのプロフェッショナル]

●農家の愛情が女王を育てるのです。



収穫された鳴門金時は低温で約2ヶ月ほど寝かせることで、成熟が進み、
いっそう甘みやうま味に深さが生まれ、色つやが良くなるのだそうです。
「出荷した鳴門金時は、そのまま店頭に並ぶこともあるでしょうし、料理やお菓子、
焼酎の原料となって、食卓に届けられるものもあるでしょう。
どういうカタチにせよ、皆さんに美味しいって喜んでもらえたら、それが一番やね」。

林さん親子が鳴門金時を収穫している畑でお話を聞いていると、
近所に住む藤原さんとおっしゃる女性が焼き芋にした鳴門金時を持ってやってきました。
そうして「少し休んで、お茶にしませんか?」と誘ってくれます。
お礼を言いながら、藤原さんが手にしたお盆に目をやると、
焼き芋と熱いお茶、それと牛乳が乗っていました。



●鳴門金時と牛乳のあま〜い関係。



「焼き芋には、ほんま牛乳がようあうんでよ。まぁ、ためしにやってみてください」
と言う藤原さんのそばで、林さん親子も笑顔ですすめてくれます。畑の隅に腰をおろし、
アツアツの焼き芋をパカリと割る。香ばしく蒸れた甘い湯気が食欲をそそります。
一口かじると、それは高価な和菓子のようで、同時に混じりっけのない自然の滋味が
記憶の奥にじんわりと染みこんでいくのを感じました。

ハフハフと熱い芋を舌で転がしながら、冷たい牛乳を流し込んでみました。
それまで体験したことのない、優しい甘みが口の中、舌の上を薄く柔らかく包み込んで、
しっとり溶けていく。こんな幸せが、すぐそばにあったとは…。
うっとりしながらもお礼を言おうと目を上げると、額の汗をタオルでぬぐい、
いとおしげに、手にした鳴門金時を見ている正史さんの姿がありました。
ふるさとが誇るブランド芋『鳴門金時』は、これから先もずっと女王で
ありつづけるに違いない──と、確信することができました。

(芋畑から〜終わり)



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芋畑から【第2話】ブランド芋『鳴門金時』生産農家〜林正史さん〜(中編) [芋作りのプロフェッショナル]

●旨い芋が育つ、いい畑があります。




松茂町で専業農家を営む林正史さん、林賀代子さんの芋畑では、鳴門金時が
収穫のピークを迎えていました。鳴門金時は3月末から6月半ばにかけて苗を植え、
早堀なら7月末には収穫が始まり、11月初旬にかけて最盛期となります。

「今年は7月に雨が多くて、多少日照不足でしたが、それでもいい芋が育っていますよ」
と正史さん。鳴門金時の苗が植えられた50mの畝(うね)を約15分かけて、
芋掘機がゆっくりと掘り起こしていきます。
1本のツルによく育った鳴門金時が4〜5本ずつついているのが理想的なのだとか。
それをLサイズ(250g〜350g)、2Lサイズ(350g〜500g)、
3Lサイズ(500g以上)に分け、大切にカゴに収めていきます。

「芋の表面に細かいヒビが入っていると完熟している証拠。
甘いんでよ」と、林賀代子さんが笑顔で教えてくれました。
5年ほど前、ご主人が急逝されたため、それまで会社勤めをしていた、
息子の正史さんが3代目として、芋農家を継いだそうです。

●農家も鳴門金時も、みんなの思いに支えられています。



以来、芋農家の3代目として、鳴門金時に向き合ってきた正史さんは、
これまでの歩みを次のように振り返ります。
「最初は、よう分からんかったけど、小さい頃から親父の仕事は見てきたから、
多少自信はありました。それでも母や周囲の農家をやってる先輩たちが師匠。
みんなが教えてくれんかったら、なかなか難しかったと思います」。

畑の土は、盛り上げた畝の高さを含めて80cmの深さが必要で、
水はけをよくするために『手入れ砂』という塩分を抜いた海砂が
欠かせないのだそうです。しかし、今は海砂を自由に取ることは禁じられているため、
健康で質のいい土を作ることがこれからの課題だと正史さんは言います。

旨い鳴門金時を育てるために、いい畑をつくること。それが3代目となった
正史さんの毎年の目標となっているようです。

(第3話へ続く)


一言編集後記:
取材に行ったのは、この冬の初め頃、急な取材にも快くご対応くださり
本当に感謝しております。次回は早くも最終回の第三話です。(TM)


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芋畑から【第1話】ブランド芋『鳴門金時』生産農家〜林正史さん〜(前編) [芋作りのプロフェッショナル]

●その味その姿、女王と呼ぶにふさわしい。




サツマイモと一口に言っても、その種類は多岐にわたります。
有名どころを少しあげるだけでも、コガネセンガン、ベニハヤト、ベニアズマ、
ムラサキマサリ、ジョイホワイト、シロユタカ、高系14号ほかまだまだあります。
皮の色も、ジャガイモの皮に似たものから、レンコンのような白、
サツマイモ独特の沈んだ紫色などさまざまです。
割った身の色はと言えば、紫、白、黄色、オレンジと色彩に富み、
同時に味わいもいろいろです。こうしたサツマイモの中でも、
一際異彩を放っているのが、我らがふるさとのブランド芋『鳴門金時』です。

鮮やかな赤い皮と、割ったときに現れる鮮烈な黄色い実。
さまざまな調理方法で、自然の深い甘みが一口ごとに踊り出してくる一品。
焼き芋にして、あるいは蒸かし芋にして、パカリと割るのと同時に立ち上ってくる
蒸れたような香ばしい香りの濃厚なこと。
加えて、すらりと伸びつつも出るところはしっかりと膨らんだ麗しい姿。
まさにサツマイモの女王と呼ぶにふさわしい資質です。

●ここが鳴門金時のふるさとです。




さて、女王・鳴門金時の主要な産地は徳島県の鳴門市、松茂町、
川内町、北島町などで、耕作面積は約1000ヘクタールほど。
専業農家の林正史さん、母親の林賀代子さん親子は、このうち松茂町で
約2町(約2ヘクタール/20段・反)の芋畑を耕作し、
年間約60トンの鳴門金時を生産しています。秋も終わりを迎えた
10月末日のよく晴れた日、二人は手入れの行き届いた畑で、
すくすくと育った鳴門金時の収穫に汗を流していました。

(第2話へ続く)

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鳴門金時蒸留所様より:URL http://www.nkj.cc/
オンライン購入ページを商品別にカテゴライズしました。


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徳島県が誇るブランド芋『鳴門金時』をご存じですか?
鮮やかな赤い皮、割ると現れる鮮烈な黄色。焼いて蒸して茹でて揚げて、
自然の深い甘みが広がる特別な甘藷です。
このブログは、そんなブランド芋『鳴門金時』を
全国のできるだけ多くの皆さんに知っていただきたい──という思いで制作します。
鳴門金時そのものの紹介はもちろん、鳴門金時を使った料理やお菓子、
お酒など、そこに関わる人との出会いを通して、ふるさとの味をお伝えします。

制作:鳴門金時普及委員会(仮)
問い合せ窓口:graphis(グラフィス)
水口<ミナクチ>まで
mtomoki@mb2.tcn.ne.jp Tel&Fax 088-657-1225

協力: 鳴門金時蒸留所


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