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『情留酒』誕生秘話【第1話】焼き芋の香りにぞっこん(4) [心地よく酔える焼酎専科]

『情留酒』誕生秘話
【第1話】焼き芋の香りにぞっこん(4)

●短針が巡るように蓄積されるチカラ。

口に運ぶたび、こうばしい焼き芋の香りが鼻孔を、
のどの奥をやさしくなでていく焼酎。それは芋焼酎ファンならずとも、
いつか飲んでみたい至高の一品に違いありません。しかし香りというものは、
たいていが、あっというまに揮発し消え去ってしまう。
今のところ、焼き芋が放つ強い香気を持続することは、原理的にできないそうです。

「私たちの造っている情留酒・鳴門金時、そこから発展した情留酒・
鳴門金時 焼き芋は、ほんのり焼き芋が香る仕上がりです。
もちろん、これに満足しているわけではありません」

と、鳴門金時蒸留所の代表兼職人の元木さん。当然ですが、化学的・
合成的香料に頼るといったような発想は、鳴門金時蒸留所にはありません。
原料の鳴門金時と、ただただ真っ直ぐに向き合うことで、
その夢に一歩でも近づこうと心血注いでいるわけです。

そんな中で、手作りの焼き芋製造器を前に、また原点に返ってきたそうです。
それは、アナログの時計のようなものかもしれません。
24時間前と全く同じ姿に見えて、経験や蓄積したデータや思いの強さや、
そういったものは、短針一周分のチカラとなっているのです。
これこそ誰にも真似のできない芋焼酎として、僕たちのもとに届けられる
真実の味わいなのに違いありません。

(第2話へ続く)

取材協力 鳴門金時蒸留所:URL http://www.nkj.cc/
オンライン購入ページ:http://www.nkj.cc/09_buyitnow.html


一言編集後記:
今、第1話を書き終えて、情留酒・鳴門金時のロックを傾けつつ、
回想を愉しんでいます。ボクが元木社長にはじめて、お会いしたのは
2005年2月のこと。昨年の暖冬とはまったく違って、激しく冷え込む日でした。
とある写真誌の取材でうかがったのですが、その時の情景を
「ひなびた外観に、郷愁ともとれる感情を抱いて近づいていくと、
内部から思いがけないほどの熱気が、甘みを伴って吹き付けてくるのに驚いた」と、
記しています。今回うかがった際、蒸留所は新しく、大きくなっていましたが、
周囲の空気に濃密に混じり合う焼き芋の香りが押し寄せてくるのに、
またしても意表を突かれ、そして緊張が解きほぐされていくのを
心地よく感じていました。時を刻むのと同様に、
じわりとした進化──それが、うれしい驚きとして訪問者を迎えてくれる。
そういうことなのでしょう。
(スタッフI)




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